(気持ち的には)無料でFlightRadar24とFlightAwareの有料会員になる
ゆる~くです。
FlightRadar24とFlightAwareを利用されている人はたくさんいるのではないかと思います。
私も上空を飛ぶ飛行機を見つけるとアプリを開いて確認したり、搭乗予定便の過去のフライト状況を確認して遅れが発生しやすくないか、飛行経路を確認して左右どちらの席に座ると景色が良さそうか検討したりしています。
つい先日知ったのですが、自分で航空機の位置情報を収集するシステムを設置しデータをFlightAwareやFrightRadar24に送るとそれぞれの有料会員にしてもらえるとのことなので早速試してみました。
最初にお断りですが、詳細な手順は書いてありません。ざっくり何が必要で、どんな手順を踏むのかをお伝えするだけです。
自分でも設置してみたい方は検索してもらえると具体的な手順付きのページが見つかると思いますので、そちらを参照ください。
※ただ、それらのページには間違いが含まれていたり、時間が経って変わってしまったところがあったりするので悩ましいところです….ある程度の知識は必要になります
目次
どんな有料会員になれるのか
データを送信するようになると、FlightAware は Enterprise 会員、FlightRadar24 は Business 会員になることができます。
それぞれの本来の費用は
FlightAware Enterprise会員 : $99.95/月($1199.4/年)
FlightRadar24 Business会員 : $499.99/年
です。
合わせると年間 $1700 程度の費用を支払うことなく有料会員になることができます。
$1 = 150 円の計算でなんと25万円以上の価値があることになります。
有料会員になるメリットとしては、
- 飛行機のより詳細な情報が閲覧できる
- 過去のフライト状況をより多く見ることができる
- 広告が表示されなくなる
- FlightRadar24の3Dビューが楽しい
といったあたりが挙げられます。
私も有料会員になったばかりで使いこなせていなくて、メリットをうまく説明できないのですが、広告が表示されなくなっただけでも快適度はかなりアップしています。
あと、FlightRadar24のWebサイトでセッション切れがなくなります。これもありがたいです。
何を用意すればよいのか
必要なものをざっとリストアップします。
- 24時間稼働できるPC
- ADS-B USBレシーバー&アンテナ
- 送信用ソフトウェア
私が実際に用意したものをもう少し細かく紹介します。
各商品にはAmazonへのアフィリエイトリンクが貼ってあります。
24時間稼働できるPC
私はシングルボードコンピュータを使うことを選択しました。
Rapsberry Pi Zero 2 W というコンピュータです(以下ラズパイ)。
大きさはフリスクのケース程度で、非常にコンパクトですが今回の目的には十分な性能を持っています。
この大きさですが、LinuxというOSを動かせるので、様々な用途に活用できます。
もちろん、WindowsPCなどを使うことも可能ですが、コスト面と設置時に場所を取ることなどから選択肢から外しました。
Windows10のサポート切れで使えなくなってしまったPCが世の中には4億台もあるそうなので、そういったPCにLinuxをインストールして使うというのもアリだと思います。

OS起動用のディスクとして MicroSD 64GB と電源アダプタ(最低5V 2.5A)を用意しました。


電源アダプタはダイソーなどで500円程度で購入できるものもありますが、24時間稼働を考えると出力に余裕があるものかつ有名メーカーのものにしておいたほうが良いと思います。
起動用ディスクの書き込みには MicroSDライターと、Windowsもしくは Mac も必要です。
PCに内蔵されていればそれを使えば大丈夫です。私は新規で購入しました。

ラズパイ設定時にディスプレイに接続したいのであれば、HDMI入力に対応したディスプレイが必要です。家庭のテレビでも問題ありません。
接続にはHDMIケーブルも必要です。下で紹介するケースセットに含まれる miniHDMI→HDMI変換コネクタも必要です。
私は設定をWindowsPCからリモート接続して行いましたが、ラズパイに直接キーボードを接続して行うこともできます。その際は MicroUSB で接続できるUSBハブとUSBキーボードが必要です。
※下記レシーバーも接続するために複数ポートが必要なのでUSBハブが必要です。USBハブはMicroUSBのコネクタで接続する物を選んでください。
ADS-B USBレシーバー&アンテナ
上記のラズパイに接続する ADS-B USBレシーバーとアンテナも必要です。
このセットで、飛行機から発信される位置情報などのデータを受信します。
これは見たことがない人が多いのではないかと思います。

少し補足させてもらうと、このレシーバーは電波を受信してデータ化する機能だけを持っていて、そのデータをPC側で処理することで今回のようなデータ受信機になったり、はたまたラジオを聞いたりテレビを見たりできるという仕組みのものです。SDR(Software Defined Radio)と言うそうです。
ちなみにUSBレシーバーの購入先を AliExpress に変えれば、日本への送料込みで同等品を2,500円程度で購入できます。ADS-B レシーバーもたくさん取り扱いがあるのでどれを選べばいいのか悩んでしまいます。RTL2832UやR820T2といったキーワードで探して、ADS-Bが受信できたという口コミを信じるしかありません。AliExpressはカオスです。R820TやT2ではなく、FC0012 というキーワードが出てきたら受信できないので買ってはいけません。FC0013であればギリギリ受信できるスペックですが、そこで頑張っても仕方ないので、FC00系は避けるべし、です。
ケース&各種ケーブル
自宅において24時間稼働させる前提で考えると、ラズパイが基盤むき出しのままというのはちょっと問題です。ホコリが積もって動作不良になるのは避けたいです。
そこでケースも用意しました。
購入したケースセットにはラズパイとUSBレシーバーを接続するための OTGケーブル(これも超重要)も含まれており、またOn/Offスイッチ付きのUSB電源ケーブルも含まれています。個別に購入するよりもセットで購入したほうがお得なのでお勧めです。

自宅内 Wi-Fi
受信したデータを FlightAware や FlightRadar24 に送信するには、インターネットへの接続が必須です。
ラズパイはWi-Fiでインターネットに接続するため、設定時および運用時に無線LANに接続できる必要があります。
Wi-Fiへの接続情報も確認しておいてください。また、このラズパイが接続できるのは 2.4GHz帯の Wi-Fi のみなので注意してください。
設置場所
設置場所はできるだけ空が広く見える場所にアンテナを立てたほうが良いので、そのような場所を探しておいてください。
近くにコンセントも必要です。マイコンや受信機は日陰に置いたほうが良いので、それも考慮に入れて設置場所を決めてください。
ざっと費用合計
上で挙げた機器をAmazonですべて揃えると、約 15,000円ほどになります。
年間25万円の有料会員費用が無料になると考えると、そこそこ良い投資だと思いますが、興味のない人には「高っ!」と思われると思います。
いいんです、半分以上は伊達と酔狂ですから。
上でも書きましたが、調達先を AliExpress に変えればだいぶ費用は抑えられます。
カードライターが手元にあれば 10,000円以内で機材を揃えることも可能です。
設定の方法
では次に超ざっくりと設定の方法を書きたいと思います。
まず大前提として、この構成で設定を行うには、LinuxというOSにある程度慣れている必要があります。
具体的には、
- 無線LAN経由でSSHというツールでLinuxが動作しているラズパイに接続する
- コマンド入力画面(Windowsでいうコマンドプロンプト的なもの)で設定に必要なコマンドを実行
- なんならflightrader24やflightawareの設定ページを見て手順を確認しながら進める(もちろん英語&専門用語)
といった感じです。
私としてはできるだけ多くの人にこの楽しさ&メリットを体験して欲しいと思うのですが…
逆に言うと、Linuxがある程度使えて、この分野に興味がある人はやったほうがいいと思います。
参考サイト
私が設定時に参考にしたサイトもいくつか紹介しておきます。
こちらのサイトが全体的にまとまっていていい感じです。
OS
まずはラズパイでLinuxが動作するようにする必要があります。
FlightAware, FlightRader24 とも自社用のOSイメージを提供してくれているのですが、それは使わずにラズパイ用の素のOSイメージをインストールします。
OSインストール後はOSのアップデートと時刻同期の設定をしておきましょう。
FlightAware piAware
つぎに FlightAware piAwareをインストールします。本家サイトの情報を参考にします。
手順は ↑ のサイトに従って行えば大丈夫です。手順の5はアメリカでのみ必要なので、スキップして大丈夫です。
インストールしてラズパイを再起動すると、piAware にアクセスできるようになるはずです。
http://[ラズパイのIP または ホスト名.local]:8080/
PCなどでこのページにアクセスして以下のような画面が表示されれば大丈夫です。
データを受信できていれば飛行機のリストが右側に表示され、地図上に飛行機のアイコンが表示されます。
最初にこの画面に飛行機の情報が表示されたときはちょっと感動しました。
※電波の強度や受信できたデータによって、リストの数と飛行機のアイコンの数は一致しません。少なくとも私の環境ではそうです。
データが送信されるようになって30分ほどで FlightAware のサイトでもマイページが作成され、送ったデータを確認できるようになります。
この段階で Enterprise会員になっていると思うので、確認してみてください。
FlightRadar24 fr24feed
つぎに FlightRadar24 fr24feedをインストールします。
このページ右上にある「Download Manual」ボタンからPDFをダウンロードして、必要なところを参照する必要があります。
P.5 の “Installation Option 1″を実行して、質問に答えていけばセットアップが完了します。
ラズパイを再起動して fr24feed にアクセスしてみてください。
http://[piのIP または ホスト名.local]:8754/
PCなどでこのページにアクセスして以下のような画面が表示されれば大丈夫です。
こちらの画面は地味です。大事なのは
Aircraft Tracked:
Aircraft Uploaded:
この2つに0ではない数値が表示されていることです。
こちらもデータ送信を始めてしばらくすると自分のアカウントがBUSINESS会員に切り替わっていることが確認できると思います。
受信場所の設定
正確なデータを送信するために、アンテナの位置を設定する必要があります。
自宅の緯度経度、および標高が必要なのですが、これらは国土地理院のWebページで調べることができます。
このページでアンテナを設置した場所に + マークを合わせると、URLに緯度と経度が表示されるので、それをコピーして設定してください。
標高はページの左下に表示されます。
標高の設定は整数値でしか行えないので、適当に丸めたり切り上げたりして大丈夫です。
まとめ
自分でシステムを設置してデータを FlightAware、FlightRadar24 に送信することで有料会員の資格が得られることについて、超ざっくりと説明させてもらいました。
設定手順が全く具体的ではないですが、Linux経験がある人であればこれくらいの情報でセットアップが完了できると思います。
もっと多くの人に受信局を立ち上げて欲しいと思うので詳細な設定手順をまとめたいなと思いますが、需要次第ですかね….
それでは、良き FlightAware、FlightRader24 ライフを送ってください!

