詐欺に引っかかってAmexに助けてもらった話

いつも慎重に行動している(つもり)のゆる~くです。

特にインターネット上のサービスについては厳しい目線で評価している、つもりなのですが…

今回も「ちょっと危ないかな?」と思ってはいたんです。が、心の声を無視して「本当なら魅力的だし、最悪このくらいの金額なら失敗してもネタとして面白いかな?」と思って突撃してみたところ、予想以上にまずい状態になってしまった、という流れです。欲に目が眩むってこういうことですよね…..

最終的には Amex に泣きついて助けてもらったので、感謝しかありません。良い勉強になりました。

顛末についてお話したいと思います。

話の始まり。旅行者にとって魅力的なサービスを見つけてしまう

ズバリ名指しで書かせてもらいます。PLUTO というサービスを見つけてしまったのです。

“https://www.plutoglobaltravel.com”

あえてリンクにはしませんので、興味のある方は訪問してみてください。ただし、決して申込みはしないでください。

(2024.07.26 追記)

つい先程アクセスしてみたら、ページがまるで違う内容に書き換わっていました…びっくりしました。

サービスの名前を変更し、決済はどうやら暗号資産のみ対応に変わったみたいですね。おまけにサービス内容の詳しい説明は一部のみ….

(2024.08.05 追記)

サイトが閉じられてしまったようです ^^; 早いな~

まぁ、どこか別のURLで立ち上げ直している可能性もあるので、気をつけてもらえればと。

提供される特典は?

私がこのサイトを見た5月下旬ごろと比べて、7月下旬時点のサイトはだいぶ中身が変わってしまっています。当時私が検討していたプラチナメンバーの特典は以下のような内容でした。

  • 全世界1700の空港ラウンジへのアクセス(ゲスト3名まで)
  • 主要提携航空会社のファーストクラスラウンジへのアクセス(ゲスト2名まで)(航空会社の明示なし)
  • 空港でのFAST TRACK利用
  • 提携航空会社利用時にファーストクラス/ビジネスクラスカウンターでチェックイン可能(BA/SQ/TK/DL/AF/AV/QR/AA/EY/BR)
  • 提携航空会社での復路便を25%割引(BA/SQ/TK/DL/AF/AV/QR/AA/EY/BR)
  • 提携航空会社でプレエコからビジネスへ無料アップグレード(BA/SQ/TK/DL/AF/AV/QR/AA/EY/BR)
  • 提携ホテルでの宿泊25%割引
  • 提携ホテルでwifi&朝食無料
  • 提携ホテルで2泊以上で1泊無料
  • 全世界対象の旅行保険

どうでしょうか?これらの特典を見てどう思われますか?

個人手配で海外旅行に行く人であれば、結構惹かれる内容になっているのではないかと思います。

詳しくは書きませんでしたが提携ホテルはヒルトン/マリオット/IHGを筆頭にアコーなども含めたラインナップになっています。

肝心の費用ですが、以下のような触れ込みでした。

  • 1年間無料
  • 年間£435(約87,000円@200円)

これは私が申し込もうとしたプラチナメンバーの費用です。これよりも安いゴールド(£215)やダイヤモンド(£315)というメンバーもありましたが、特典内容がいまひとつでした。

逆により上位のエリートというメンバーもあり、こちらは本来£3480のところ£980での特典提供でした。高いだけあって特典も豪華で、主なものを挙げると

  • 40以上の主要な航空会社のファーストクラスラウンジへのアクセス(ゲスト3名まで)
  • 選ばれた航空会社で年間4回のファーストクラスへのアップグレード(ゲスト1名含む)
  • マリオットボンボイ アンバサダーへの入会

といったものが提供されています。マリオットのアンバサダーになるにはホテル宿泊関連で年間$23000以上を使い、かつ年間100泊以上利用する必要があるので、これを£3480で買えるなら格安と言えます。それが£980なら激安です。マリオット民が黙っていないはずです。もちろん本当に買えるなら、ですが。

ただエリートは自分にとっては費用も特典もオーバースペックだったので、プラチナを選びました。

何かおかしいと思わなかったのか?

はい、いくつかおかしいと思いました。

やはり特典内容の割に費用が安いのが気になりました。本当にこの費用でこれだけの特典を提供し続けることができるのかは疑問でした。

ゆる~く

全員がすべての特典を利用するわけじゃないから、事業としては採算が合っているのかもしれない

次にWebサイトの構成がおかしいことも気になりました。

ゴールドやダイヤモンドの説明ページは URL が超適当で、いくらなんでもこんな状態で公開はしないだろうというものでした。

ゆる~く

立ち上げたばかりみたいだから、細かいところに手が回ってないのかな

そして時々変わる費用についても気になりました。特にエリートが頻繁に変更されていたと思います。

ゆる~く

立ち上げたばかりのサービスにはよくあることだよね

2016年に設立して 18000人のメンバーが居ると言う割には検索でなんの情報も見つけられませんでした。

ゆる~く

きっとクローズドな会員組織だったんだよ

こういった一貫性のない情報を見たときには「これはアカンサイトだな」と思ってスルーするのが通常なのですが….欲に目がくらんだ心は何かしら自分を納得させる理由を考えついてしまうものでした。

なぜPLUTOに目が眩んだのか?

その話をする前に、私の現在の予定をお話しする必要があると思います。

2024年の夏は家族3人でシンガポール旅行に行く予定です。利用するのはシンガポール航空です。ANAのマイルで確保した特典航空券です。

シンガポール航空といえば、チャンギ空港の上位クラスラウンジが非常に魅力的です。

PLUTOのサービスでシンガポール航空の上位クラスのラウンジ、特にファーストクラスラウンジに入ることができるなら、素晴らしい体験ができるだろうという思惑がありました。その際に家族3人全員が入れるということも大事でした。

チャンギのラウンジに入れるのかについてはサイトの説明からは確実なことは分からなかったのですが、提携航空会社の中にシンガポール航空が入っていたので、期待できる、と思いました。ただ逆に言うと確実に使える保証はなかったので不安は感じていました。

ですが、その不安を払拭したのが1年無料で試せるという誘い文句です。

無料で試せるのであれば、ダメ元で試してみて、ダメだったらすぐ解約すれば大丈夫だろうと考えてしまいました。

それに、もしこの夏にちゃんと使えたら、継続することもやぶさかではないと考えていました。この画像にある各社でオトクな特典が受けられるなら素晴らしいですよね。

そして申込みへ

申込みは簡単でした。フォームに簡単な情報を入力するだけです。ちゃんと1年無料であることが書かれています。

申込時に一つ違和感を感じたのは、初年度無料なのにクレジットカード情報を入力しなければならないことでした。

クレジットカードの情報自体は app.link.com という決済サービスへの登録でした。app.link.com は Stripe という会社の決済サービスらしく、Stripe 自体は名前も聞いたことがあり、特に問題とは思っていなかったので、「来年度以降の年会費をきちんと取りたいので、今カードを登録させるんだろう」という広い心で登録を進めてしまいました。

申込みが終わればあとは10営業日ほどで welcome pack なるものが手元に届くのを待つだけ、の予定でした。

早速トラブル発生

申し込み翌日のことでした。

念の為クレジットカードの明細を確認してみたらこんな請求が…..

PLUTOWORLD ¥603,728

PLUTOWORLD ¥201

下の方はおそらくカード有効性確認のためのもので、上の方が本命だと思います。

日本円だとわかりにくいですが、£2980の請求が行われていました。

ゆる~く

なんなんじゃこれ~~!!

です。

正直、間違って決済されるとしても£435だろうと考えて油断していました。£435ぐらいなら取られてもまぁ勉強代としてなんとか耐えられると思っていたのですが、まさかの£2980は心理的にも財布的にも耐えられませんでした。そりゃ相手にしてみれば取れるだけ取るに決まってますよね。

ここから、約2ヶ月に渡る闘いが始まりました。

PLUTOへ問い合わせ

まずは事業者に連絡しようと思い、PLUTOへ問い合わせを行いました。これは決済に気づいた日に行っています。

PLUTOはサイト上にチャットシステムを構築していたので、まずはチャットで決済が発生していること、返金してほしいことを連絡しました。会社はイギリスにあるようだったので、時差も考慮して先方の業務開始時間に合わせて送ってみました。

しかし、全く回答がありません。

この段階で、「まぁ、返事来るわけないよな」と思ってはいました。正直こちらの入力したメッセージもどこにも届いていないのだろうと思っていました。

ただ、それで良しとするわけにもいかないので、公開されているメールアドレスに対しても同様の文章を送信しておきました。

そちらも当然のように回答はありませんでした。

Amexへ問い合わせ

Amexアプリからチャットで問い合わせが行えるので、問い合わせました。これも決済に気づいた日に行っています。

サービスに申し込んだがサイトに記載されている料金と全く異なる料金が決済されていること、そもそも初年度無料という話なのに決済されていることがおかしいことを伝えました。また、この件について事業者に直接問い合わせていることも伝えました。

そのうえで、Amex側から決済をキャンセルできないかを問い合わせました。

Amexの回答としては、基本的に事業者とやり取りをしてほしいということでした。事業者に問い合わせても返答がない、返金処理を行うという連絡があったのに返金が確認できないなどあれば再度 Amex に連絡がほしい、ということでした。また、請求データが Amex に届いて60日以内であれば調査の依頼を受ければ調査が可能ということでした。

Amex側からすると、また詐欺サイトに引っかかった情弱がやってきた、という気分だったと思いますが、丁寧に対応してもらえて助かりました。

ゆる~く

この段階では、最悪Amexには支払ってもいいけど PLUTOには渡さないでほしいと思っていました。よく分からんけど。

Stripe(app.link.com)へ問い合わせ

決済を処理している Stripe にも問い合わせをしてみました。これも決済に気づいた日に行っています。

こちらにも Amex への連絡と同様の話をして、Stripe 側で決済をキャンセルできないかを問い合わせました。

Stripe側はドライな対応でした。やはり事業者側に問い合わせてほしいという話と、Stripe側からはキャンセルできない旨の連絡が来ました。

仕方ないので、Stripe側からも事業者側に問い合わせてほしいというお願いもしてみたのですが、それもできないとのことでした。

事業者と調整がつかない場合はカード会社にチャージバックの依頼をすることを推奨します、とのことでしたので、この手のトラブルの場合 Stripe は基本的に何もしてくれないんだなとわかりました。決済手数料は受け取っているはずなのにね。

こういう問題が発生するのはわかっているのに、その対応対策は外に丸投げというのは事業としてどうなんでしょうか。

今後仕事で Stripe を使いたいというクライアントがいたら他の会社をお勧めしたいと思いました。

対応してくれたスタッフは丁寧でしたけどね。

逆に詐欺サイトなどは間にこういった事業者を挟むことで消費者側の手続きを面倒にしている、っていうのはあるかもしれないですね。

PLUTOへ再び問い合わせ

翌日、再度 PLUTO のサイトからチャットを投げ込んでみました。

hello と入力するとなんと反応が返ってきたので、昨日と同じ内容のメッセージを送ってみました。まさかの展開です。

するとすぐ回答があり、

  • 問題は確認した。決済はエラーで発生したものだ。
  • 返金の手続きを取った。7-10 working days で返金が行われる。
  • これ以上の決済が発生しないように対策も行った。

という回答が来ました。

なので、この段階では了解した旨の返答を行い、10営業日後に口座をチェクしてこちらから連絡すると回答しておきました。

また、問い合わせメールを送っているのでそちらに同じ内容で回答がほしい旨を伝えたところ、割とすぐに同様の内容でメールが送られてきました。

Amex に現状を連絡

今回のPLUTOからの回答は自分からすると一応ポジティブな情報でした。ポジティブな情報でもネガティブな情報でもAmex 側には逐次情報を共有していました。

PLUTO側から上記の回答が来たという連絡を行ったところ、一旦事業者側からの返金を待ってみてほしいという回答が来ました。

もし事業者側から返金がされなかった場合はまた連絡してほしいとのことだったので、了解した旨を回答しました。

ゆる~く

まぁ、自分的にはこの段階では「事業者側からの返金は来ないだろうな」と思っていました。でも Amex が問題を認識してくれているのは心強かったです。

PLUTO 側へ念押し

PLUTOからの回答文面を見直していて気がついたのですが、PLUTO側からの回答は具体的な数字が殆ど書かれていませんでした。数字があっても相対的なものでした。先程の 7-10 working days というものそうです。返金する具体的な金額についても明言がありません。

なので、具体的な日付と金額を記載して、これで間違いないか?という念押しを行いました。

チャット上ではそれで問題ないという回答が得られたので、メールでも同じ回答がほしいと伝えたところ、数日後にメールが送られてきました。

ただ、メールで返ってきたのは、返金対象の金額は正しいものの、返金の期限日がこちらから確認した日付の1か月前の日付で回答が送られてきました。

ゆる~く

その期限日にはまだ支払ってもいないっつーの。

心のなかで「こう来たか」と苦笑いしつつ「日付間違っているよね?正しい日付はこっちだよね?」とメールで確認を返したのですが、結局日付の確認のメールに対する返事はもらえませんでした。

ま、そんなもんだろうと思いました。むしろよくここまで問い合わせに付き合っているなと感心しました。

そして迎えた返金期限日

はい、返金される訳ありませんよね。わかっていました。というわけで淡々と次の手を打ちます。

Amex 側に返金されなかったことを連絡

これまでのやり取りはすべて共有してあるので、Amex 側に対して返金されなかったのでなんとかキャンセルしてほしいという連絡をしました。

ここで Amex 側から求められたのがやり取りの文面の提出でした。

こんなこともあろうかとチャットのやり取りはすべてやり取りした日時も入れて転記しておきましたし、メールで回答を求めたのも証拠を残すためでした。

指定されたメールアドレスにチャット内容やメールを共有し、あとは Amex 側の対応に任せることとしました。

この時点で該当の請求は1ヶ月間請求保留となるそうです。そしてその1ヶ月の間に事業者側から返金が行われない場合は Amex側で請求の差し戻しを試みるよう担当課に連携する、とのことでした。試みるなので確実に返金されるわけではないようですが、さらに1ヶ月対応の時間ができたのは良かったです。

Amex 側から事業者に調査依頼もするようでした。その調査には1~2ヶ月ほどかかるとのことでした。

この先は Amex のルールに沿っての判断がなされることになり、もう自分にできることはないので、ただ結果を待つことにしました。

ゆる~く

とはいえ、毎日のように決済がキャンセルされていないかは確認していましたが…

PLUTO へしつこく連絡

とりあえずチャットから、

まだ返金されてないぞ。状況を確認してメールで連絡頂戴。

というメッセージを週一で投げ続けました。流石にこの頃になるとチャットでも回答が来なくなりましたね ^^;

そして、Amexから封書が届く

先日、Amex から封書が届きました。差し出しは会員サービス課です。

ドキドキしながら開封すると、そこには「一定期間内に事業者側から適切な回答が得られなかったので、請求の再戻し手続きを行いました。本書面をもちまして正式にご請求の取り消しのご連絡とさせていただきます。」と書かれていました!

良かった~~~~!

謎の請求から2ヶ月、ようやく重荷から開放されました。

今回の対応で気をつけたこと

まずはやり取りの記録を詳細に残していたことかと思います。

チャットでのやり取りもそうですし、メールで同じ情報を送ってもらうというのもそうです。

特にチャットはページを閉じると内容が消えてしまうような仕組みだったので、やり取りしながら文面をコピペし、日時も一緒に記録して時系列で追えるように記録を行いました。

あとはできるだけ感情を排して、できるだけ短い文章で淡々と事実の指摘とお願いだけを伝えるようにしました。

やり取りは英語でしたが、機械翻訳で問題ありませんでした。

反省点

効果があったかどうかはわかりませんが、PLUTO登録直後に app.link.com のカード登録を削除すればよかったかなと思います。

登録してから決済情報が上がってくるまでに少しタイムラグがあったので、もしかしたらカード情報をすぐ削除しておけば決済されることはなかったかもしれません。

それであれば、「welcome kit 届かないな~」という平和な問題に置き換わっていた可能性はあります。

それよりも大きいのは、やはりうまい話には気をつけよう、ということです。

自分が取れるリスクを想定してはいたのですが、それを遥かに超えて来てしまったので、自分の想定が甘かったなと反省しています。

ラッキーだった点

決済が発生したのがカードの締め日の翌日だったので、対応する時間があったのが幸いでした。締め日まで1ヶ月ある状態だったので、落ち着いて問い合わせなどを進めることができたと思います。

もし締め日が近ければ、焦って急いで動こうとして良くない結果になっていたかもしれません。

終わりに

いまでもこんなサービスが提供されてほしいと思っていますが、PLUTOはダメです。今また価格を変えたりして人を誘い込もうとしています。

この記事が他山の石となることを願っています。

そして、シンガポール旅行時にはSFCで入れるゴールドクリスラウンジかPriority Passで入れるラウンジで過ごすことになりそうです。

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