シンガポール情報: 汝に「食の経典」を授けよう

大げさな書き出しが好きなゆる~くです。

最近少し回復したとはいえ、円安の影響で海外旅行時の出費を心配する人が多いようです。

現地ツアー、アトラクション、お土産、食事と出費がかさむものはいくつかありますが、節約しやすい食事の費用を抑えようとスーツケースいっぱいに食材を詰め込んで出かける姿が報道されていたりします。

物価高の影響が強い米国、欧州方面であればある程度は仕方ないと思いますが、一方のシンガポールでは食事のコストは抑えつつも充実した食事を楽しむことはまだまだ可能です。

そのための「食の経典」をご紹介したいと思います。

「食の経典」とは?

そのものずばり、「マカンスートラ」という書籍がシンガポールで発刊されています。シンガポールの食文化に合わせたグルメガイドで、ホーカーに代表される庶民的なお店が主に紹介されています。電子版が公開されており、日本からも簡単な手続きで読むことができます。後でご紹介します。

ところでホーカーとは?

ご存知の方もいるかと思いますが、シンガポールにはホーカーセンターと呼ばれる屋台村が存在します。その数は優に100を超えており、2019年の段階で144箇所で開設されているといいいます。

屋台村と聞くと日本の屋台を思い浮かべるかもしれませんが、それとはだいぶ趣が異なります。

例えば、シンガポールの金融街にあるラオパサというホーカーセンターはこんな感じです。

チャイナタウン近くにあるマクスウェルフードセンターはこんな感じです。

どうでしょうか?雰囲気が伝わるでしょうか?

これらのホーカーセンターの運営者は政府です。政策としてホーカーセンターを作り、そこに屋台(といっても出店区画が割り当てられる感じですが)=ホーカーを集めていわゆるフードコートを作り上げています。シンガポールの一般的な国民の食を支える重要な仕組みとなっています。

ホーカーセンターによって規模の大小はありますが、観光客が訪れるエリアにあるホーカーセンターであれば50店以上の規模のものも珍しくありません。

そして一箇所に50店も屋台があれば食べたいものが見つからないということはまずありません。

逆に食べたいものを出している屋台が複数あり、どちらを選べばよいか迷うことも少なくありません。

そういうときのお店選びに役立つのが食の経典「マカンスートラ」です。

ちなみに「マカンスートラ」を発行している KF Seetoh 氏はホーカー文化の継承と発展のために活動しており、ホーカーのユネスコ無形文化財登録にも尽力した方でもあります。

ホーカーの魅力と難点

ホーカーの魅力はなんといっても多彩なメニューとリーズナブルな料金だと思います。

シンガポールを代表するメニューは一通りホーカーでも食べられますし、料金も一品5ドル程度が中心で、10ドルを超えることは滅多にありません。

流石にチリクラブなど食材の原価が高いものはそれなりの値段になってしまいますが、それでも専門店に行くよりは遥かに安価に食べることができます。

一方でレストランと比べると環境は今ひとつです。屋根はありますので雨に濡れるということはありませんが、空調が効いているところはほぼありません。つまり暑いです。

食器や箸などもプラスチックだったりして高級感はありません。テーブルや椅子も然りです。

注文は客自らが店頭で行い、自分で料理を受け取って運び、食べ終わったら自分で片付けるというセルフサービスが基本です。

ただ、これらは料理の値段と表裏一体の関係です。客がサービスを受けない分、料金が抑えられているわけです。

シンガポールの人の中には一日三食ホーカーという人もいるそうなので、低廉な料金が維持されることは大事なことなのだと思います。

「マカンスートラ」はホーカー版ミシュランガイド

数多あるホーカーの中から、メニューごとに選りすぐりのホーカーを紹介してくれているのが、今回ご紹介する「マカンスートラ」です。一部レストランも掲載されています。

開いたベージの上部、座っている人の右下に「E-Book」というメニューがあると思います。

このメニューを押すと、本の紹介ページが表示されます。

左側に赤い「VIEW BOOK」というメニューがあると思います。これを押すことで電子書籍版のマカンスートラを読むことができます。

初回は氏名やメールアドレスを入力する必要がありますので、適当に入力してください。

書籍の電子版という形態のため、文字が細かいので大きな画面を持つPCやタブレットで閲覧すると読みやすいと思います。

英語ですが、テキストをコピペして google 翻訳にかければいくらでも読むことができます。ちなみにPCではCtrlキーを押すとテキストが選択できます。活用してください。

「マカンスートラ」の使い方

画面は以下のようになっています。なにはともあれ、ざっくり閲覧してみましょう。

まず、紙面左右にある < > をクリックすると、ページを捲ることができます。

表紙から1ページめくると目次があります。目次はクリックすると反応しますので、見たいページにすぐ飛ぶことができます。

試しに「Using Makansutora」をクリックしてみてください。

右上に御椀と箸の描いてあると思います。マカンスートラではお店の評価はこの箸の数で表現されます。箸の数が多いほど評価が高いということになります。

試しに、有名なチキンライスのホーカー、「天天海南鶏飯」を見てみましょう。

箸の数は5本ですね、さすがの評価です。

お目当てのホーカーの探し方

「マカンスートラ」ではいくつかの方法でホーカーを探すことができます。

料理名で探す

一番メジャーな探し方が料理名で探す方法だと思います。

料理名の索引があるので、その中から料理名をクリックすると、ホーカーの掲載ページを開くことができます。

例えば「EURASIAN/PERANAKAN/NONYA」という料理名(というよりこれはカテゴリですね….^^;)をクリックすると、これらの料理を提供してくれるホーカーやお店の掲載ページが開きます。

ホーカーのみならず、ペラナカン料理でガイドブックに掲載されている「CANDLENUTS」という高級なレストランも掲載されているのが不思議な感じです。でもこの店でも箸は5本です。

箸6本評価の「Charlie’s Peranakan Food」はホーカーですが、観光客があまり訪れないエリアのホーカーセンターにあるようです。非常に気になります。

でも、私が大好きなムルタバがないのはなぜなのか気になって仕方ありません。

料理の写真で探す

料理名の索引の次のページに料理写真での索引もあります。ただ、これは初心者にとっては利用しにくいと思います。料理名だけではどんな料理か想像がつかないときに見てみるのが良いと思います。シンガポール料理に慣れている人はこちらのほうが早いかもしれません。

見た目が美味しそうな料理を試してみるのもまた楽しいとは思います ^^)

場所で探す

巻末にシンガポールを東西南北と中央に分け、それぞれのエリアごとにお店がリストアップされています。道路名でまとめられているため、土地勘がない観光客にはちょっと利用が難しそうです。ホテル近くの通りの名前を調べて、その通りにある店を探すぐらいがちょうどいいかもしれません。

気になるホーカーが見つかったら

気になるホーカーが見つかったら、[MAP]というリンクをクリックすればGoogleマップで地図が表示されますので、場所を確認することができます。

先ほど紹介した「天天海南鶏飯」の紹介でも、青文字で Map と書いてあるところをクリックすれば地図が表示されます。

私はラクサが食べたいのですが….

今回の旅行では、名前がわかる数少ない料理の1つ、ラクサを食べたいと考えています。

早速マカンスートラでラクサを調べてみると、4つの店舗が表示されました。

が、よくガイドブックによく掲載されているオリジナル・カトン・ラクサも328カトンラクサも掲載されていません…..

先日延伸したMRTで取り上げさせてもらったのですが….

では、マカンスートラおすすめのお店を見てみます。ラクサで紹介されているのは4軒あります。

これを地図にプロットしてみたところ、こんな感じになりました。

右下のカトン地区あたりにお店が集まっていますね。拡大してみます。

なんと、EW線の Eunos 駅の近くに3店集まっていました。東側に1軒、西側に2軒です。しかも西側の2軒は同じホーカーセンターに入っているようです。

ちなみに、西側のホーカーセンターへはEW8/CC9のパヤ・レバー駅のほうが近いです。

これが前の記事で書いていた「落とし穴」です。

TEL線で美味しいカトンラクサを食べに行こうと思っていたのですが、EW線のほうが良いのでは…という気分になってきています ^^;

出歩くのが面倒なときは

マカンスートラがプロデュースしているホーカーがマリーナの北側にあります。名前はマカンスートラ・グラットンズ・ベイです。

マーライオンから歩いて5分程度の場所ですので、比較的行きやすい場所かと思います。

ここにはマカンスートラがよりすぐったホーカーが軒を並べています。ホーカーが初めてという方はここで食べてみるのも良いかもしれません。

いつも混んでいるそうなので、それだけは覚悟していってください。

現地で食を楽しみましょう!

というわけで、マカンスートラをご紹介しました。

自分も現地で食べたいメニューがいっぱいあります。

ムルタバ、バクテー、チキンライス、ラクサ、ペーパーチキン、ペラナカン料理…..

胃袋がいくつあっても足りません。中には日本でも食べることができるメニューもありますが、やはり現地で食べたほうが何割増しかで美味しいと自分は思っています。

ああ、牛になって胃袋4つフル活用したい…..

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